2009年 12月 03日
potage pekinois ポタージュ・ペキノワ |
フランスにいた頃、下町の安い中華食堂でよく食べたスープです。(後にも、イタリアやスペインで同じものを食した事がありますから、きっと世界的にポピュラーな庶民料理なのでしょう。)
北京風スープという名前が付いていますが、四川省の「酸辣湯(サンラータン)」と呼ばれるものが原型です。
賄いですから、レタスの芯やラディッシュの葉っぱなど、残り物の具材も使って作りました。鷹の爪や胡椒の辛味と、最後に加える酢の酸味を中途半端にとどめると美味しくありません。
一口食べて”アーこれ無理”、と叫びたくなるほどの辛味と酸味に卒倒しつつも、次第に虜になってしまう味わいを宿している、そういう類の料理です。世の中に、素材として美味しいものは数知れずありますが、この種の人為的美味しさは、単純、かつ質素であるが故に、脳裏に強烈な印象を残してくれます。(パリまで食べに行けないので、自分で作って楽しんでいます。)
by comme-tu-veux
| 2009-12-03 17:25
| 日記